【パンケーキガメの卵が孵化-Vol.1-】
- 2020/03/11
- 20:00

【パンケーキガメの卵が孵化-Vol.1-】
昨年の11月19日から孵卵していたパンケーキガメの卵が孵化しました。
孵化日数112日でした。
過去に孵化実績のある自作孵卵器にて孵卵しました。
孵卵温度は、29.7~30.5℃を維持。
湿度は70%台を目安にしていますが、60%以下にもなった時もありました。
今回使用した自作孵卵器は、乾燥しやすいのでタッパーに水を入れて湿度維持に努めました。

↑孵卵開始前の卵です。
卵のところどころにある白いモヤモヤは、発生に伴う白濁ではなくカルシウム沈着です。
雌の体内に卵が留まる時間が長いと卵殻にカルシウム沈着が起こり、写真のように見えます。
今回の卵は有精卵でしたので、卵中央付近から白濁がはじまり、時間経過と共に広がっていきました。

↑孵卵47日経過後の卵。検卵確認時の写真です。
3週間以上経過してから検卵(暗くして卵にライトを当てる)した際には胚や血管が見られました。
中央の黒い影が胚(カメの赤ちゃん)です。
検卵時には胚が動く様子も確認できました。

↑孵化開始(孵卵後111日目)。卵が割れはじめた時の写真。
リクガメの幼体は卵殻を割る際に嘴の先端にある突起物(卵嘴)で卵を割ります。
卵嘴は、脱出後しばらくすると取れて無くなるようです。

↑上の写真から12時間後の翌朝(孵卵後112日目)の写真。
卵にクラックが入ってから12時間後には、幼体は完全に卵から出ていました。
幼体は、ひっくり返った状態で卵から出ておりました。卵黄はほぼ体内に吸収されていたので一安心しました。
カメは甲羅を折り曲げた状態で卵内にいます。孵化直後ですので、まだ甲羅は折れ曲がり気味の状態です。

↑幼体が目を開いた時の写真です。元気よく手足を動かしていました。

↑ひっくり返った状態を元に戻して撮影。
パンケーキガメの孵化仔は、頭部が大きい印象を持ちました。

↑殻を取り除いて上から撮影。
孵化直後でまだ甲羅は歪んでおりますが、時間の経過と共に綺麗な形状になっていきます。
パンケーキガメの孵化仔特有の柄が印象的でした。

↑ひとまず孵卵器内で待機させている写真。
孵化直後に幼体は激しく動き回ることがあるので、大きなタッパーに小さなタッパーを入れてひとまず落下防止対策です。
すぐ横の小さなタッパーが水入れです。その横の箱型の機器は、ワイヤレス温湿度計の子機です。
中央の黒い棒は、サーモスタットのセンサーです。
※サーモスタットのセンサーは事故防止(センサーを孵卵器外に出しっぱなしによる高温事故)のため、養生テープで孵卵器内に貼りつけています。
左サイドに別の温湿度計のセンサーがあります。
(写真では外してありますが実際にはタッパー内にセンサーを入れています。)
パンケーキガメは、通常、1回の産卵につき卵を1個しか産まないで種です。
(2個卵を産むケースもあるようですが、我が家のパンケーキガメも今までのところ1個です。)
初期胚時に発生を停止させる種とのことですが、『ある一定期間経過後には自然に停止は解除される種』とのことです。
今回の卵は、発生の一時停止は感じられずに孵化に至りました。
次回の投稿に続きます。【パンケーキガメの卵が孵化-Vol.2-】