【ビルマホシガメの産卵 (アミティエル 1クラッチ目)】
- 2019/06/21
- 20:00

【ビルマホシガメの産卵】
3年の歳月がかかりましたが、ついに正常な形でビルマホシガメ(アミティエル)を産卵させることができました。

↑今回産卵してくれたアミティエルの顔写真です。
抱卵しているのは行動で把握していましたが、なかなかアミティエルが安心して産卵できる環境を整えることができませんでした。
今年、試みた方法を上から順に記しました。
1)屋内の約1820×910㎜×350(H)手作りの木製ケージに約820×520×210(H)のトロ船に土をいっぱい入れ、周りは出入口部以外は木材で囲んだ産卵床を設置しました。
※アミティエルが産みたい時にスロープを上り、産めるようにした方法です。
結果・・・産卵せず。
産卵床が狭いらしく、積極的に産卵床に行こうとはしませんでした。
産卵床を上部からレフ電球(100W)で暖めても産卵しませんでした。
スロープ式は諦めて次に試みたことは、
2)屋内:約910×936㎜×350(H)のケージに土を深さ約20㎝入れて、周りを高さ350㎜の木材で囲った産卵床を作成。
スロープ式と異なり、卵を産みたくなった雌亀を飼い主が移動させて産ませる方法となります。
結果・・・産卵せず。
私の感覚では、広さはあるなと感じました。しかし、アミティエルは終始落ち着かず、産卵床から出たがりました。
紫外線を照射するライト(100W)も設置して環境改善に努めましたが、残念ながら産みませんでした。

※910㎜×936㎜四方の木製ケージの底面にビニールシートで囲い、そこに深さ約200㎜の土を入れました。
木製ケージの高さが350㎜。そこに木製の高さ350㎜の囲いをのせています。
屋内では産まないと判断。次に試みたのは、外で産ませる方法です。
3)庭の一角をブロックで囲い逃走防止対策を行った上で、1)の時に使用したトロ舟(約820×520×210(H))とスロープを用いて産ませる方法。
結果・・・産卵せず。
恐らく、産卵床を設置した庭の一角が太陽光があたる時間が短い(その為気温が低い)、産卵床が狭いと予想。

※産卵床奥のブロックは実際は2段積んで逃走しないようにしました。高さは約380㎜となります。
※スロープは木材で作成したものです。カメが上りやすいように人工芝を両面テープで貼っています。
※土の深さは、約200㎜。
産卵床を設置した環境が良くないと感じたので、
4)ブロックで囲ってあるメインの飼育場の一部をアミティエル一頭に提供して産卵するかを見ました。
メインの飼育場は、太陽光がよくあたり気温も高くなるので、ここに雌を1頭にして好きな時に産ませるという方法です。
アミティエルを1頭にして安心して産める環境を意識しました。
産卵床などは設置せず、そのまま放す形としました。

結果…産卵成功です。
※今回産んだ場所ですが、上の写真では左奥の角になります。
最後の方法で、はじめてアミティエルが正常な産卵をしてくれました。
今まで、アミティエルの産卵前(後ろ足で掘り堀する独特な)行動は一度も見たことはありませんでした。
抱卵は認識していましたが、なかなか土内に産まずに放卵していました。
3年かけてようやく、アミティエルが産卵時に望む環境を理解できて感激しました。


粘土質の土だったため、掘り出すのに苦労しましたが、全10個、無事回収できました。

私が産みたい時にすぐに産ませられなかったため、状態が良い卵は少数でしたが、無事に産んでくれただけで嬉しい気持ちでいっぱいでした。
今回は、タッパーに土を入れたものに卵をのせて自作の孵卵器で温めることにしました。
野外に放した際に、飼育者が見ていない時に雌亀が卵を産んだかどうかの目安として、
『雌ガメの体重の変化を確認する』と良いと思われます。
●産卵前と後で持った時の重さの違いで判断する。
●産ませる前に雌亀の体重を測っておき、産んだと思われた後の体重と比べる。
餌を食べたり、排尿排便で大きく体重は変動しますので、あくまで目安となりますが確認しておくと産んだかどうかの判断材料の一つになるかと思います。

その他の判断方法として、上の写真のように臀甲部の汚れが判断材料になるかもしれません。
土質にもよりますが、卵を産んだかどうかを予想できそうです。ご参考までに写真を掲載いたしました。
野外で産んだ際の場所の特定は、雌亀が産んでいる時を確認しないかぎりなかなか難しいので、カメラを設置して場所を特定する等の対策が今後の課題です。
今回、アミティエルが産卵前に望む環境が分かりましたので、次回クラッチはすぐに対応できるように日々観察したいと思います。