【インドホシガメの孵化の様子】
- 2022/03/18
- 21:00

【インドホシガメの孵化の様子】
今回は、最近のインドホシガメの孵化の様子をご紹介したいと思います。
はじめにご紹介する個体Aは、孵卵から117日目での孵化でした。

卵を置いている床材は、バーミキュライトです。

個体Aの各方向からの写真です。
孵化直後ですので、まだ甲羅は若干歪んでいますが、時間の経過と共に滑らかになっていきます。
腹甲の写真では、まだ卵黄は見られますが、その後完全に吸収されました。
次の個体Bは、孵卵118日目での孵化でした。

孵化開始のタイミングは、先にご紹介した個体A(同じクラッチ卵)と同じでした。

孵化仔Bの各方向からの写真です。
今回の個体Bは、写真撮影時に可愛い両目を見せてくれました。
孵化直後の孵化仔は、歩くのもヨチヨチですが、時間の経過と共にしっかり自立して歩けるようになります。
個体Cは、孵卵115日目での孵化でした。
先にご紹介した2頭とは別クラッチとなります。

孵化中の正面の写真です。
腹部にあるピンク色の物は、卵黄です。
インドホシガメは、卵黄を完全に吸収する前から孵化が始まる傾向が多いようです。

完全に殻から体を出した状態です。
孵化開始と同時に卵を置いた床材は、水を注いで湿らせます。
そうすることで、乾燥が原因による固着事故を防ぐことができます。

個体Cの各方向からの写真です。
インドホシガメを繁殖させて楽しい点は、模様を含めた個体差が大きい点です。
孵化直後は、個体差は大きくは感じられませんが、その後の成長に合わせて、放射模様が各甲板の成長線から伸びてきます。
個体Dは、孵卵166日目での孵化。同クラッチより約48日遅れとなります。
インドホシガメは、パンケーキガメやビルマホシガメとは異なり初期胚発生時の遅延等は見られない(と思われる)種です。
今回、ご紹介する孵化仔は、初期の胚発生時(約Stage15)に胚の血管が途中で消失後、再復活し孵化に至ったというはじめてのケースでした。

通常とは異なる発生経過を辿りましたが、孵化開始の瞬間に立ち会えて大変嬉しかったです。

孵化仔Dの各方向からの写真です。
予想外の点として、初期胚時に発生がスムーズに進行しなかったにも関わらず、孵化仔に外観上の異常は見られなかった点です。孵化時に健康な姿を確認でき、安心しました。
個体Eは、孵卵129日目での孵化でした。同クラッチの卵より約14日遅れでの孵化となりました。

先に孵化している卵(同クラッチの個体C)があるだけに、死んでしまったのかなと感じておりました。
心配をよそに、この卵も無事孵化に至りました。
発生遅れで孵化を心配していた個体Dと合わせて嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

個体Eの各方向からの写真です。
今回ご紹介した5頭は、椎甲板、肋甲板には大きな甲ズレ等は見られせんでした。
どの個体も孵化後の状態は良く、餌を積極的に食べてくれました。
今の時期は、特に乾燥気味ですので定期的な温浴を当店では行っております。
これから孵化仔達を健康に育てていきたいと思います。